直政さんのニャンニャン日記

プチシリーズ・主君様日記(・o・)ノ
第5回は直政さん。


葉月某日。

いつものように、神棚にまつった総長の姿絵に向かって手をあわせていたら、多魔が神棚に飛び乗って、あろうことか総長のご尊顔に足跡をペタリと!

くっきりついた足跡に、あわてて多魔を捕まえた。
肉球が真っ黒になっている。朝からどこかに出かけてきたな、このお転婆にゃんこめ。

身体も汚れていたので多魔を洗ったのだが、肉球を洗っていると楽しくて、ついついプニプニ遊んじまった。すると俺を見上げて可愛い鳴き声をあげる。
ちくしょう、可愛いぞ多魔!

思わず抱きしめてグリグリほおずりしたら、引っかかれた。多魔は俺の腕から逃げ、屋敷の外に出ていってしまった。

休日の今日は昼から多魔とたっぷり遊ぼうと思っていた俺は、あわてて追いかけた。
しかし見失ってしまう。

近くを方々探しまわったのだが見つけられない。
そこで、多魔がよく行っているらしい場所に足をのばしてみた。

「多魔? ああ、飯を食っていったぜ。食ったらどこかに行っちまったけどな」

「ああ来ていたぞ。うちのカラクリでしばらく遊んでいたが、あきてどこかに行ったな」

「またワシコに飛びつこうとしていたよ…ひとにらみしたら逃げて行ったけど」

「来たよ〜! 蹴鞠に交って遊んで、子供たちも大喜びしてたんだ♪ え? もう帰っちゃったよ」

「そういえば少し前に、花壇にまう蝶々を追いかけていたな…」

「ええ、来たわ。餌を作ってあげたんだけど、食べずにどこか行っちゃった」

全部すれ違いかよ!
(総長すみません! 甲斐姫はへんなもん食べさせようとしないでくれ!)

結局夕刻まで探して見つからず、晩飯を食いに戻っているかもしれないと屋敷に戻ったら、いた…俺の羽織に寝転んで、気持ちよさそうに眠っている。
しかもまた泥だらけになっている。

なんだよちくしょう、 さんざんあちこちで遊びまわってバタンキューかよ! この浮気者め!

…まあしかし、最後はちゃんと俺の所に帰ってくるんだから……やっぱ可愛いよな。
明日は俺とも遊んでくれよな、多魔?

井伊直政 記

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