By KAMIKAMII


「がんばれ! マハードくん」

※読む前にちょこっと説明。これはまだマハードが、愛すべき可愛いへたれだと完璧に誤解していた時に書いたものです。だからイメージ少し違います(^.^;) ←可愛いへたれな彼も、かっこいい忠誠心溢れる彼も大好きです。マハ大好き〜v そんなわけで、書いた当時の私的設定がまじってます。

 

私はマハード。誉れある六神官の一人だ。しかし所詮は人の営み。色んなしがらみと無縁ではない。特に最近は、胃がキリキリと痛んで仕方ない。人付き合い…というか、セト神官。

そう、あの男は! 私を目の敵にしている。残念なことに、私の実力は彼には及ばない。年少であるがゆえに立場も弱い。それをいい事に奴ときたら!
事あるごとに嫌みの嵐。やっかいな仕事は気がついたら私の所にまわして来ているし、失敗でもしようものならここぞとばかりに傷口をえぐってくる。私は別にセトに対して何かしたわけではないぞ…が、思い当たるふしはある。アイシスの事だ。奴は私がアイシスに近づく事が気に入らないのだ。

今日だってそうだ。訓練で私とアイシスが一緒の組にされた。
「がんばりましょうね、マハード」
私はアイシスの事を想っていた。とはいうものの、すでにきちんとふられていた。セトと彼女がつきあっているのを知っていても、だからとすぐに思いきれるものではない。こんな何気ない一言が嬉しくて、思わず笑った瞬間、悪寒が走った。
アイシスの背後に視線をやると、セトが目を細めて私をじっとりと見つめている……。
その後は散々だった。いたぶられ、侮辱され。……アイシスはいったいあの男のどこがいいのだ! どうみたってあの男の性格は破綻しているぞ!! ……いや、やめておこう。余計にむなしくなるだけだ(T_T)
私はどうしてあの男に勝てないのだろう。日々の鍛練はかかしていないどころか、奴にいたぶられる度に精を出しているぞ。悔しくて仕方ない。だが今回はへこんだ…。アイシスのみならず、王達の前で思いっきり! だがセトも王にいなされていたで、いい気味…いやいや、そんな事を言ってはいけないな。

とにかく。

私が落ち込んでいると、アイシスが声をかけてきた。
「大丈夫ですか、具合が悪そうですよ」
身体は平気なのですが、心の傷が大きいのです。とはまさか言えず。
なんでもありません、と答えると彼女は少し困ったような顔でため息をついた。そして苦笑。
……見抜かれているのだろう。ああ、やはり私は未熟だ。アイシスの優しさが身にしみる。
「困った事があれば、何でも言って頂戴ね」
アイシスはそう言って優しく微笑んだ。セトと付き合うようになっても変わらない、私が好きになったその笑顔。報われないと知りつつ、やはり胸が熱くなる。アイシスにはすでにふられた私だが、彼女の態度は以前と同じ…いまだ変わらぬ友情が成立しているのが、とても嬉しい。
ありがとう、私が笑みを浮かべてそう言うと、アイシスも微笑みを返した。
「じゃあ、また明日ね」
別れの挨拶をかわして、去っていったその後ろ姿をしばらく名残惜しげに見送っていたが、後ろに気配を感じ振り向くと…いた。セトが!
「フン」
私を鼻で笑いとばし、ゆっくりとやってくるその姿に身構えていると、側を通り過ぎざまセトはこう言った。
「顔色がお悪いな、マハード? ククク。そんな事で六神官は務まらぬぞ。…明日はさらに厳しい鍛練にしてやる。覚悟しておく事だ」
ワーハハハハハハハハハハハ。そう高笑いを残して去っていくセトを見送って、私はなんとも言えない気分になった。
もうアイシスにはふられているんだし、いい加減にしてほしい(T_T) 少し話したぐらいで、目くじらたてる事ないじゃないか。人生はずれクジな気がするのは被害妄想だろうか…。

明日の御前訓練を思って、深い深いため息が出た。



おわり 
 
.

KAMIKAMII's COMMENT

マハードの話だけど、なにげに…というか、きっぱりはっきりセト×アイシスベースです。これはマハ好きなセトイシストな方たちとチャットしてて、すっかりマハ→アイシス(さらにイシズ前提)という設定ができ上がってしまったんですね。セトがマハをいじめるには理由がある!てなわけで。だからこんな事に。実は如月竜夜さんに携帯メールで送っていた連載小説でした。携帯から抜き出してみると意外に長くて、本人がびっくりしました。ああマハ大好き☆ 最初の刷り込みというものは恐ろしいもので、かっこいいシーンのマハを見てても、なぜか可愛く見えるんだもん。もはや病気かもしれません(^.^;) しかしこのセト、子供ですね〜(笑)

 
Novel トップへ戻る