FROM KANNEI-sama

「※無題※」

「くそっ,包帯替えたのにまた滲んできたさ」
テントの中で一人天化はつぶやいた
クイーンジョーカー号での戦いで負った傷の血が止まらないのである
「スースが大乙さんに見てもらえって言ってたけど大乙さんから”ここには治療用の宝貝がないから無理”って言われたしなぁ」
天化は新しい包帯を巻きながらテントの外を眺めた。天化にとって今回の戦いは悔いが残る戦いになってしまった
その理由は二つある
一つは自分が命にかかわる怪我をしてしまったこと
もう一つは劉環との戦いの時に蝉玉を助けられず土公孫に手柄が渡ってしまったこと
(モグラが気絶したままだったらもしかしら俺っちは蝉玉を助けられたかもしれねえさ。あの時すごくモグラのコトが憎くなったさ。大体蝉玉も蝉玉さ!!何であんな浮気性の男のどこが良いさ?さっぱりわかんねえさ)
新しいタバコをくわえて天化は思った
「まあ,今更そう思ってもどうにもならないさ。とりあえず蝉玉が俺っちみたいな怪我をしないでよかったさ」「あたしが何だって?」
テントの入り口に蝉玉が立っていた
「せ,蝉玉!!あーた今俺っちが言ってたこと聞いたさ?」
「聞いてないよ。あ,もしかしてあたしの悪口でも言ってた」
「いや,言ってないさ。それより何の用さ?」
「太公望に言われて新しい包帯を持って来たの。傷の方は大丈夫?」
「これくらい平気さ」
本当は大丈夫じゃなかったのだが
「包帯赤いけど・・・」
「げっ,もう滲んださ!!」
「ねえ天化,あたしがやってあげようか。こうゆうの得意なんだ」
「べ,別にいいさ。一人でできるさ」
「だーめ,天化の巻きかただったらすぐ滲むよ。それに今包帯が足りないんだからね。無駄使いしてたら周公旦にキツく言われるよ」
「お願いするさ」
周公旦に小言を言われるよりはマシと思い天化は渋々了承した「はい,できたよ」
「へーけっこう上手いさね。ありがとうさ」
(でも何で急に親切にしてくれるさ?俺っちコイツに何かやったかな?)
天化は理由を聞いてみることにした
「なあ蝉玉。何で急に親切にしてくれるさ?」
「知りたい?」
「知りたいさ」
「天化に言ってもいいのかな?」
「俺っち聞いてもどうもならないさ」
「本当に?」
「本当さ。だから早く教えるさ!!」
天化は聞きたくてウズウズしていた
「じゃあ言うわよ。チョウ公明様の船であたし劉環と戦ったでしょ」
聞いた途端天化の胸が痛くなった。脳裏に助けようとした自分には目もくれず土公孫を心配している蝉玉の姿が浮かび上がった
「どしたの天化?」
「あ,いや,何でもないさ」
蝉玉に尋ねられ天化は我にかえった
「そう,じゃあ続き話すよ。その時天化ってあたしのコト心配してくれてたんでしょ」
「へっ!?」
天化は一瞬あっけにとられてくわえていたタバコを落としてしまった
「あーた今何て言ったさ」
「だから劉環と戦っていた時,あたしのコト心配してくれたんでしょ。そのお礼で包帯巻いてあげたの」
「ち,違うさ。俺っちはあーたなんか心配してなかったさ!!」
図星だったが天化は顔を赤くしながら必死になって否定した
「でもあの鳥の宝貝にやられそうになった時すごい剣幕で”まずいべ早く行って助けるさスース!!”って叫びながら太公望の頭をガンガン蹴っていたし。それに劉環に首を折られそうになったときも真っ先に飛び出していったって竜吉公主様が教えてくれたよ」
天化は話を聞いて放心状態になっている
「ねえ,もしかしてあたしのコト好きなの?」
「だから違うって言ってるさ。俺っちはあーたのコトなんて好きじゃないさ!!」
天化は本心を隠すために嘘をついた。もちろん後悔したのは言うまでもない
しかし,そんなことを言われたにもかかわらず蝉玉はクスクスと笑った
「何で笑うさ」
「今言ったことって嘘でしょ。あたしにはわかるんだ」
そう言った途端蝉玉が顔を近づけてきた
「もっと素直になってよ。あたし天化のコト大好きなんだからね」
そう言われて天化の心臓の鼓動がだんだん早くなってきた
(もう限界さね・・・)
天化は決心した
「俺っちも蝉玉のコトが大好きさ」
「天化・・・早く言ってよね」
蝉玉が笑顔で抱きついた
「いててて蝉玉,傷に当たってるさ。悪いけど離れてくれ」
「ごめん,大丈夫?」
「お,おう・・・」
(本当はメチャクチャ痛いさ)
「蝉玉ちゃーん,何処にいるの」
トウキュウ公の声が聞こえた
「あ,パパが来た。じゃあ天化そろそろ行くね」
そう言って外へ出て行こうとした
「天化,今夜寂しかったら来てあげようか?」
また天化の心臓の鼓動が早くなった
「おい,蝉玉どうゆうことさ!!」
しかし蝉玉はそのまま行ってしまった
「今夜はさわがしくなりそうさ・・・・」
天化は新しいタバコをくわえてそうつぶやいた

 

- 終 -

 

KAMIKAMII's COMMENT

甘寧さんより頂いた、天化×蝉玉小説です。ありがとうございました〜v 蝉玉が包帯まくのが上手いなんて意外です! あ、自分がよく怪我するからかしら(笑) 天化もほんとにわかりやすい奴ですよね〜。周りの人間に気づかれていないと思っているのは本人だけっぽいしv 誘い受(いやもしかしてひょっとして『攻』?)な蝉玉のその後が気になりますv

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